ビオトープのすすめ

ガーデニング

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水場のある庭に憧れて

庭づくりをしていると、いろいろな種類の植物を育ててみたくなるものではないでしょうか。
かくいう私も、ある程度植物を育てることにも慣れてきて、少し違うジャンルの植物を育ててみたくなりました。

以前から育ててみたいと思っていたものの、なんとなくハードルが高い気がして手を出せていなかったスイレンに挑戦することに。

スイレンといえばビオトープというイメージを持っていた私。
さらに我が家はナチュラルガーデン風の庭を目指しています。
水場があるとナチュラルガーデンに一歩近づくのでは?という思いもあり、庭にビオトープなるものを作ってみることにしました。

ビオトープとは

ビオトープを作る前にまず、ビオトープとは何ぞや?ということで調べてみました。

生命:バイオbioと場所:トポスtoposの合成語で、生物の生息空間のこと

https://www.biotope.gr.jp/about/ (日本ビオトープ協会より

元々は、環境保全や野生生物保護に取り組んでいる専門家の人たちが使用していた言葉のようです。
個人的には、ビオトープというと水鉢の中でスイレンが咲いていて、中でメダカが泳いでいる……というイメージしかなかったのですが、正確に言うともっと広い意味の言葉だったんですね。

ただし、最近では意味が多様化しており、私が持っていたイメージのような、水鉢の中の小さな環境のような、人口で作る水辺のようなものもビオトープと言われるようになっていったようです。

水場があることのメリット

ビオトープをつくるにあたって、身近に水場があることのメリットは何があるだろうと考えてみました。

  • 水生植物を育てられること
  • メダカなど、水生動物を庭で楽しめる
  • 水があることで、虫や鳥たちが水を飲みに来たりと、庭の生態が多様になる
  • 身近に水があると癒しになる

水場がないと育てられない植物や動物が育てられるのは、ガーデニング好きとしては嬉しいポイントですよね。
また、水を求めていろいろな生物が来てくれるようになるのも、ナチュラルガーデンの要素としては大事なポイントになりそうです。

ビオトープつくりで準備したもの

ビオトープをつくるため、資材や育てる植物の準備が必要です。
今回私が用意したものを紹介しようと思います。

スイレン鉢

今回は、スイレン鉢や土、肥料などがセットになっているものを購入しました。

セットには以下の資材が入っていました。

  • スイレン鉢 :容量23L
  • スイレン用の土 :3L×2
  • 水辺植物用肥料
  • カルキ抜き、餌サンプル
  • ポリ手袋 :2枚

これらがセットになって約3,000円ほど。
細かいことを考えずに必要なものが揃うので、お手頃かなと思います。

スイレンの苗

次は鉢に植え付けるスイレンの苗を用意します。
スイレンには、熱帯性スイレン温帯性スイレンの大きく分けて2種類あります。

温帯性スイレンは、日本をはじめとした温帯性地域に自生している種類のスイレンです。開花は晩春から初秋頃までで、冬の間は地上部がなくなった状態で冬越しが可能です。

熱帯性スイレンは、東南アジアをはじめとした熱帯性地域に自生している種類のスイレンです。
温帯性スイレンに比べて見た目が派手なものが多いようです。
名前の通り、暑いところに自生するスイレンなので、冬越しをするのは難しいとのこと。

私は温帯性スイレンの優しい色合いが好みだったので、今回は温帯性スイレンを育てることにしました。
冬越しを上手にすれば長く育てられそうな点も決め手のひとつでした。

私が購入したのは赤系の温帯性スイレンがランダムでひとつ届くというもので、
品種を指定して買うよりも少しだけ安くなったのでそちらを選びました。

スイレン以外の水草

ビオトープの中にスイレンだけだと寂しい気もしたので、水草をいくつか入れることにしました。
ビオトープにメダカも入れるつもりなので、メダカの産卵床になるような水草を一緒に育てようと思います。

①ホテイアオイ
ホテイアオイは浮草で、根はメダカの産卵床になります。水面に日陰をつくれるため、メダカの隠れ場所としてもぴったりです。
夏には薄紫色の花を咲かせてくれます。(模様が目のようで、実は私はちょっと苦手)
水質浄化作用もある植物のようです。

②アナカリス
アナカリスは水中で育てる水草で、低光量でも育てることができる丈夫な水草です。
レイアウトとしても良いですし、メダカのおやつにもなります。
高い水質浄化能力もあるとのことです。

ビオトープに入れる生き物

ビオトープといえばメダカというイメージで、メダカも一緒に育てることにしました。
今回選んだのは楊貴妃メダカというメダカです。

基本的には丈夫な種類で、水質の悪化や低温にも耐えてくれる強いメダカとのこと。
朱色の体色が美しいメダカです。
ビオトープでは上から眺める形になるので、上から見てもわかりやすい体色のメダカを選ぶことにしました。

ビオトープづくり

通販で頼んだスイレン鉢セットとスイレンの苗、水草、メダカが届いたので、さっそくビオトープづくりを始めます!

まずは環境づくりということで、スイレン鉢が入った栽培セットを開封します。

スイレン栽培セット
スイレン鉢はプラスチック製ですが、そこそこの重量がありました

こんな感じで、スイレン鉢にセット内容が入った状態で届きました。一緒に頼んだ水草も入っています。

セットの中に入っていた資材はこんな感じです。

スイレン栽培セットの資材
土のほかに、固形肥料・カルキ抜き・ミネラル添加剤・メダカ餌サンプル・ポリ手袋が入っていました

左から固形肥料、カルキ抜き、ミネラル添加剤、メダカの餌サンプルです

スイレンの土を準備する間にメダカの水合わせも一緒に進めていきます。
メダカは発砲スチロールの箱に入った状態で届きました。

メダカ水合わせ
メダカは二重の袋に入って、発砲スチロールの箱で届きました。袋ごと水につけて、水温を合わせます

元々入っていた発砲スチロールの箱に、スイレン鉢に入れる予定の水を入れ、
メダカが入った袋を入れて水温を合わせておきます。

12匹セット×2の合計24匹頼みました。24匹すべて元気な状態で届きました!

袋のまま発砲スチロールの中で30分くらい置いておいたら、メダカを袋からバケツなどに出して、スイレン鉢に入れる水を少しずつ加え、元々メダカが入っていた水を同じ量捨てるという作業をして、30分くらいかけてメダカを新しい水に慣らしていきます。

これらの作業はスイレン鉢の土を用意しながら進めていました。

バケツで水合わせ中のメダカ
メダカを袋からバケツに移し、スイレン鉢の水と少しずつ混ぜ合わせて慣らしていきます

メダカの水合わせを進めつつ、スイレン用の土を入れて水と練っていきます。
スイレン用の土はこんな感じ。結構粒がしっかりしていて、触った感じはさらさらしています。

スイレン用の土
スイレン用の土を開けてみると、細かい粒状になっていて触った感じはさらさらとしていました

水を少しずつ入れていき、ザクザクと土と混ぜ合わせていきます。

スイレン鉢土づくり
スイレン用の土をすべて入れ、少しずつ水を加えて混ぜあわせていきます

水は合計で2.2L入れました。説明書きだと「粘土状になるまで練る」と書いてあるのですが、
土の性質的に粘土状にはならなかったので、全体が水を含んだところで土は完成としました(笑)

水を含むと意外と土が重くなって、混ぜるのがそこそこ大変でした。

スイレン鉢土づくり完了
ひとまず土全体に水がいきわたったので土を練るのは完了とします

土を練り終わったら、スイレンの株を植え付けていきます。
説明書きでは、別容器で土を練って、スイレンの株を鉢に置いてから土を入れていくという順序で書かれていたのですが、スイレン鉢の中で土を練って、その中にスイレンの株を埋めるという方法で植え付けしました。(意外と大丈夫でした(笑))

スイレンの苗
スイレンのポット苗です。有機肥料のためか、袋を開けると独特のにおいがしました

スイレンはポットに入った状態で届きました。
おまかせで届いたのは「マサニエロ」という品種のスイレンでした。
袋に密閉されて届いたのですが、袋を開けてみると独特のにおいがします。

どうやら有機肥料が施肥されているためのようで、商品ページの注意書きにも記載がありました。
外で作業をすればそこまで気にならないかなとは思います。

スイレンの状態は良い感じで、株元を見ると新しい芽も出てきていました。

スイレンの苗の株元を見てみると新芽が出てきていました

スイレンを植え付けしたら、固形肥料を入れます。
一袋すべて入れて、軽く土と混ぜておきます。

スイレン鉢に固形肥料投入
スイレンの苗を植え付けたら、固形肥料を入れます。白い粒々が固形肥料です

肥料を入れ終わったら、徐々にスイレン鉢に水を入れていきます。
静かに水を入れていくのですが、多少は水が濁ってしまいます。
1時間くらいそっとしておいたらある程度は透明になるので、少し濁る分には特に問題ありません。

スイレン鉢へ水投入
静かに水を入れても多少は水が濁ってしまいますが、しばらく置いておけばきれいになるので問題なしです。

水を入れ終わったら、水草をセットします。

ホテイアオイは水に浮かべるだけでセット完了。

ホテイアオイ
ホテイアオイは2株1セットで届きました

アナカリスはピンセットなどを使って土に斜めに挿しておきます。

アナカリス
アナカリスは4本入っていました。土に挿しておけば根付いてくれるようです

水草を挿したらカルキ抜きとミネラル添加剤を入れて、水の濁りが少なくなるのを待ちます。(1時間くらい)

水の濁りが落ち着いてきたら、メダカをスイレン鉢に入れていきます。
我が家には網がなかったので、カップで掬って少しずつ移していきました。

メダカを入れたら、サンプルについていた餌をあげておきました。
すごい勢いで食いついてきて、みんな元気なことがわかり一安心。
一心不乱に餌に食いつく姿はずっと見ていられます(笑)

餌を食べるメダカ
スイレン鉢にメダカを移したら餌をあげておきました。一心不乱に食べています(笑)

こんな感じで、ビオトープの完成です!
濁りがなくなるのを待つ時間を除けば、作業時間は2時間程度でできました。

スイレン鉢のビオトープ完成
スイレン鉢のビオトープ完成です。水の濁りも落ち着いていい感じです

ビオトープでナチュラルガーデンへ一歩前進

憧れだったビオトープが我が家の庭に!

スイレン鉢をのぞいてみると、メダカたちが思い思いに泳いでいて、ついつい時間を忘れて眺めてしまいます。
忙しい日々の中で、そうした時間は癒しになるなと思います。
また、水場があることで、ガーデンのフォーカルポイントのひとつにもなるな、と思います。

スイレンの花
7月頃からスイレンが花を咲かせてくれるようになりました

実際にビオトープを庭につくったのが4月の中旬頃。
今はビオトープをつくってから約4か月が経過しましたが、水場があることで庭に来てくれる生き物たちの種類が豊富になりました。
一番よく感じるのはトンボがたくさん飛ぶようになったなというところです。

シオカラトンボ
最近、庭でよく見かけるようになったシオカラトンボ。水場があるときてくれるのでしょうか

それ以外では、スイレン鉢にハチがよく水を飲みに来るようになりました。アシナガバチやスズメバチが来たりするとちょっと怖いですが……

ビオトープの影響なのかわからないですが、蝶もたくさん来てくれるようになった気がしますし、最近ではニホントカゲをよく見かけるようになりました。

ニホントカゲ
少しわかりづらいですが、庭の片隅でニホントカゲを発見。子どものトカゲも何度か見かけるようになりました

こんな感じで、生き物がたくさんやってくる庭にして、ナチュラルガーデンに少しずつ近づいていけたらなと思っています。

この約4か月の間にメダカの数が減ってしまったりなどもあるのですが、試行錯誤しながら良い環境を整えていきたいと思います。
スイレンの冬越しがうまくいくかも心配だったりしますが、また経過をブログにアップしようと思います♪

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